土蔵や納屋、古いタンスや金庫を掃除した際に昔のお金が出てきたことはありませんか?
特に近代(江戸後期~明治以降)の古銭は比較的あたらしく、目にする機会も多いようです。
今回はそんな近代の古銭から、天保通宝についてご紹介します。
慢性的な貨幣不足のため、銭貨の量産が必要となっていた1835年(天保6年)頃。
すでに使われていた寛永通宝(1枚1文)の100枚分として製造されたのが天保通宝でした。
そんな天保通宝、製造された年代や地域によって少しずつデザインが異なるため、
コレクターの収集対象となり、種類によっては現在も非常に高い取引額となっています。
では一体、どれぐらいの価値が、どんな天保通宝に期待できるのでしょうか?
このページでは存在が確認されている24種類の特徴から、価値・価格をご案内!
高額な取引が期待できる、古銭の買取専門業者までお伝え致します。
Contents
天保通宝は母銭が高額な価値!基本の4種をご紹介
幕府が公式に製造・発行した天保通宝は4種類。
細かい書体の違いを除き、原料は主に銅で、形状も楕円形と、4つに変わりはありません。
表面には天保通寶、裏面には當百(※)の文字、製造の責任者である後藤氏の署名があります。
また、以下に記載される母線とは、通常に出回る銭貨(通常銭)を作る際の、
型を取るための元(見本)となるもので、通常銭に比べ買取額が高いことで知られています。
予備知識はこれで十分、さっそく4種の天保通宝の価値を見ていきましょう!
①:本座長郭
本座長郭のポイント
- 製造年:1835年(天保6年)
- 母線の買取額:約80,000円
- 通用銭の買取額:約1,000円
本座とは、この銅貨の造られた場所が幕府公式であることを示します。
大きな見分け方としては、中心の穴の周囲を縁取りの幅になります。
長郭は他の天保通宝に比べ、その縁取りの左右が縦長となっているのが特徴的。
また天保通寶の、通の【甬】と、寶の【貝】が横幅狭く書かれています。
②:本座細郭
本座細郭のポイント
- 製造年:1835年(天保6年)
- 母線の買取額:約130,000円
- 通用銭の買取額:約1,000円
細郭は縁取りの幅が細くなっているのが特徴的。
発見された母線の数が少なく、買取額も13万円と高額です。
お持ちの本座細郭が母銭で、かつ美品であれば13万円以上も期待できますよ。
③:本座広郭
本座細郭のポイント
- 製造年:1845年(弘化2年)
- 母線の買取額:約50,000円
- 通用銭の買取額:約1,000円
広郭は縁取りの幅が広く太いところが特徴的です。
一見パッとしない買取額ですが、あくまで上記の金額は目安。
2009年の古銭オークションでは通常銭で3万6千円、
母銭は20万で取引された記録もあるので、期待できる逸品です。
④:本座中郭
本座中郭のポイント
- 製造年:1866年(慶應2年)
- 母線の買取額:未発見のため不明
- 通用銭の買取額:約10,000円
広郭は縁取りの幅が、長くも細くも広くもないものを指します。
この中途半端な判断材料のためか、母銭の発見は未だにありません。
古銭の中ではこういった未発見のものが最大の価値を秘めています。
素人目ではわからないため、一度専門の業者での査定をオススメいたします。
以上、江戸幕府が製造した公式な天保通宝4種でした。
画像を参照にしても、なかなか自分で見分けるのは難しいですよね…。
とくに価値の高い中郭は素人目では見極めにくいので、専門業者への相談がオススメ。
無料で査定・取引が可能ですので、天保通宝や古銭をお持ちの方はご参考ください。
天保通宝の密造品は20種類!偽物こそおすすめで高額な価値あり
天保年間が通貨不足だったことはすでに記載の通りですが、
もちろんそれは江戸の町だけではなく、日本列島すべてに該当していました。
そこで、日本全国の藩(県のような地方行政機関)は天保通宝の密造を始めます。
ここから種類が増えていき、デザインの違いからコレクションの対象となりました。
以下、幕府の目を盗んで造られた20種類をまとめましたのでご覧ください。
日本各地で密造された天保通宝の種類と買取額 | ||
---|---|---|
名称 | 買取価格(通用銭) | 特徴 |
盛岡銅山 | 約50,000〜 100,000円 | 表面に盛岡銅山と書かれている |
南部銅山手 | 約30,000~ 50,000円 | 中心の穴に傾斜がある |
南部小字 | 約100,000~ 300,000円 | 全体的に文字が小さい |
南部大字 | 約30,000~ 50,000円 | 文字の幅が太く大きい |
秋田広郭 | 約15,000~ 25,000円 | 穴の縁取りの幅が広い |
秋田長郭 | 約10,000~ 18,000円 | 穴の縁取りが縦に長い |
会津広郭長足寶 | 約130,000~ 250,000円 | 寶の【ハ】の部分が長い |
会津長貝寶 | 約60,000~ 130,000円 | 寶の【貝】の部分が縦に長い |
会津短貝寶 | 約10,000~ 18,000円 | 寶の【貝】の部分が縦に短い |
水戸大字 | 約3,500~ 8,000円 | 文字の幅が太く大きい |
水戸短足寶 | 約2,500~ 5,000円 | 寶の【ハ】の部分が短い |
水戸濶字退寶 | 約2,500~ 5,000円 | 寶の字が右へ退いている |
高知額輪短尾通 | 約3,000~ 8,000円 | 穴が真四角ではなく、通の【辶】部分が短い |
山口大字平通 | 約40,000~ 80,000円 | 全体的に字が大きく通の字が上下に狭い |
山口方字 | 約8,000~ 15,000円 | 穴が真四角ではっきりしている |
山口曳尾 | 約14,000~ 25,000円 | 通の【辶】部分が左右に引っ張られている |
福岡離郭 | 約18,000~ 36,000円 | 中心の穴と上下の文字が離れている |
岡痩通 | 約2,500~ 5,000円 | 通の字が痩せて幅が狭い |
薩摩広郭 | 約1,500~ 3,000円 | 穴の縁取りの幅が広い |
薩摩短尾通横郭 | 約1,000~ 5,000円 | 通の【辶】部分が短く穴の縁取りの横幅が広い |
※ここでご紹介した金額ははあくまで実績です。
実際の買取金額を保証するものではありません。
以上、20種類でした。
密造の通貨はいわば偽物ですが、各藩では通貨としての役割を果たしていたため、
公式の天保通宝と同等、あるいはデザインの希少性から本物より高価値となっています。
表の買取額は一般的な金額ですが、美品や希少性によっては掲載の額を上回ることも。
過去にはオークションで700万の価値が付いた天保通宝(密造版)もありました。
また本家と同様、密造品にも母銭が存在しています。
いまだ発見されていないものが多く、その価値は未知数…。
お手元の密造品が母銭であれば、数千万円の買取額が期待できるかもしれませんよ!
天保通宝の損しない取引とは?高く・高価値で売る方法をご紹介
ものによっては高額な価値が望める天保通宝。
ですが、その種類を見極めるのって難しいですよね?
そのため、
- 本来の価値を知らないままオークションへ出品してしまったり
- 実は母銭だったのに、通常銭の価格で取引してしまったり
気付かず損をしている人が意外と多いんです…。
売ってしまってから「もったいないことをした!」と後悔する前に…。
お手元の天保通宝や古銭は買取業者へ鑑定してもらいましょう。
思いがけない査定額が付くことも、珍しくはありません!
どんな業者に頼めばいいのか分からない!という方もご安心ください。
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